帰路

霧っていいよね。

特にfogっていう響きは

霧のあのもやもや感をよく表している言葉だと思う。

進んでも進んでも見えないような

走っても走っても進んで行かないような

そう正に夢のような理不尽で浮遊したような現実感。


最近霧がよく出てる。

バスを降りて

そのバスが霧の中に

霧で霞んだ光の中に

走り去っていくのがいい。

きっと得体の知れない何かに連れ去られてしまうであろう

あの不安に満ちた高揚感。


そのバスを見送って

私は霧をひんやり肌に感じて

その雰囲気を損なわないように

そうっと心だけ弾ませて帰路につくのです。