milky morning

街はもの言わず

磯の香りを漂わせて

まだ白い海の底



乳白色のグラデーションに包まれた

かすかに桃の地平線


白の彼方に消えゆく電線の上を

歩く少年を夢見ている


白く濁ったままの

おぼろげな形

うつろな音


やがて姿を現すだろう


今はまだ

ぼんやり眺める

遠い意識の遠い景色



霧の中で静かに今日が動き出していた